AFRICL(アフリクル)のPhilosophyの一つに
"すこやかであること"というものがあります。
この言葉を掲げることで
バティックを染めてくださっている職人さんや縫製職人さんをはじめとした作り手となってくださっている皆さん
お品をお迎えくださるお客さま
そして私たちが暮らす地球
AFRICLとそのお品にかかわるすべての人・もの
そのどこにもしわ寄せがいかないことを目指しています。
この言葉をPhilosophyとして掲げるか、
ブランドの企画を行う上で、とてもとても迷いました。
今日はそんなお話をさせていただきます。
エシカル?サステナブル?
AFRICLのものづくり
これから、に願うこと
1.エシカル?サステナブル?
AFRICLはありがたいことに、サステナブルファッションブランド、エシカルブランドとして捉えていただくことが多くあるのですが、
実はAFRICL自身としては、エシカルブランドやサステナブルブランドという発信を積極的には行っていません。
Sustainable(サステナブル)=持続可能であること
ethical(エシカル)=倫理的であること
例えば、製品が生まれるまでにかかわる方々がに適正な賃金を支払うことや、環境負荷が大きくないこと、だと考えているのですが
そういったことは「当たり前のこと」として捉えていきたいということで、ブランドの価値として、積極的な価値発信はしていませんでした。
ですが、やはり児童労働や低賃金、環境負荷といったファッション業界の問題が取りざたされていますので、そういった問題がないか確認出来ないとご不安という方もいるのだ、という方もいること
まだまだ倫理的なプロセスが当たり前ではないのだ、ということをブランドを始めてから気づかせていただきましたので、今回少しご紹介させていただきます。
2. AFRICLのものづくり
AFRICLの周りの人・ものを 作り手の方々、使い手であるお客さま、 AFRICLも含めたすべての人が暮らす地球ととらえて それぞれにしわ寄せが行かないように、とAFRICLが考えていることをお話しさせてください。 まずは、作り手の方々。 AFRICLでは大きく、ベナンの職人さん、日本で副資材をご提供いただいているメーカーさん、お服などを仕立ててくださっている縫製職人さんにお世話になっています。 そのどこの方に対しても、AFRICLでは、AFRICLの方でお値段を決めるということはしていません。お支払いすべき価格をお伺いして、その価格をお支払いさせていただいています。 当たり前のようですが、実はこれも当たり前ではないのだそうです。 特に縫製をお願いする際は、職人さんや工場の方から「いくらにしますか?」と聞かれ、ブランドを始めたばかりのとき、とても驚いたことを覚えています。 ブランド側から価格を提案しても、安すぎる、と思えば断れるのであれば、それはすこやかな商いなのかもしれません。ですので、こちらから価格を提示することが悪いとは思いません。 AFRICLでも個人で活動されている方に縫製をお願いする際など、先方が価格を決めることになれていないといった場合には、AFRICLからご提案し、対話しながらお支払い額を決めさせていただくこともあります。 逆に価格を提示いただいた場合にも「安すぎるのでは?」と思う場合には、それで利益がきちんと出るのか?無理がないか?ご質問させていただいたり、こちらも必要に応じて対話を行います。 そして、AFRICLのものづくりで特徴的なのはベナンの職人さんとの関係かもしれません。
AFRICLでは、ベナンの職人さんや工房と、直接バティックの生産をお願いする契約を結んでいます。 生地屋さんなどを介して仕入れている訳でも 自社工房を持っている訳でもありません。 ベナンで工房を構えている職人さんと 直接契約させていただき、バティックを仕入れさせていただいています。 直接仕入れを行っているので、AFRICLがお支払いしたバティックの料金はすべて職人さんたちに渡ります。 直接仕入れを行っているから、生産にかかる手間暇や、どういったことが大変なのか、負荷になるのか知ることができ、職人さんたちにとって嬉しいオーダーは何か職人さんたちと考えさせていただいています。 そして、AFRICLが大切にしたい考えは 職をつくったり、技能訓練をしたり、AFRICLが職人さんたちに何かして"あげる"のではなく、 AFRICLが職人さんから技を、技の結果うみだされたバティックを使わせて"いただいている"ということです。 技術へのリスペクトを表現できる関係を築き、大切にできるよう、職人さんたちと会話をしながら進めています。
続いて、使い手のお客さまについて。 一度お迎えいただいたお品が長くお使いいただけるものであるように、大切にしている"余白"については、以前こちらの記事でお話しさせていただきました。 今日は「お届けの仕方」について。 お届けの仕方については ・ゆっくりご自分の"すき"と向き合っていただくこと ・本当にその一着、一点が暮らしの中で輝くか?じっくりと考えていただくこと を大切にしています。 それは、職人さんへのリスペクトのいち表現として、手間暇かけて生み出されたお品を長くお使いいただきたい、という気持ちでもありますが、 一着、一点がお客さまのお役に立ったり、笑顔のきっかけとなれる期間が少しでも長くあれたら…という願いでもあります。 ゆっくりとお考えいただくために、例えば ご試着いただけるスペースとしてご用意しているアトリエでは、アトリエはあくまで「ご試着の場」として、お品をお迎えいただくのはお帰りになったあと、オンラインストアで…というのを原則としてます。 そうすることで、帰り道、ゆっくり考えたり、 AFRICLのお品以外のこともたくさん考えたりしたあとにも、頭に残る一着か、お確かめいただけたらと願っています。
最後に、地球について。
AFRICLでは、バティックを現在ベナンから仕入れています。
お品に仕上げてくださる職人さんには遠方の方もたくさんいらっしゃいます。
ベナンからの移動には飛行機が、日本についてからもたくさん移動し、その度にCO2が排出されています。
また、AFRICLと契約させていただいている職人さんは化学染料を使用しています。
そして、染める際に蝋を使用しています。
天然染料より化学染料が地球にやさしい、と安易には言えないと考えていますが、工房の排水機能などが十分でなかったり、といった理由で染色の過程でも環境に負荷が出ていると思います。
そんな中でAFRICLにできることは?
例えば、お洗濯のなかで出ていくマイクロプラスチックが少なくなるように、またお客さまに心地好く長く、お使いいただけるよう、AFRICLでは原則ボタンや裏地なども含め、日本でつくられた天然素材の副資材を使用しています。
"日本でつくられた"にこだわるのは、バティックの仕入れ以外では、流通距離が大きくない物をできるだけ選びたいから。
(つくられた方の顔ができるだけ見えるものを使いたい、という想いもありますが…)
まいにちのスカートの裏地はオーガニックコットンだったり、シャツに使用しているボタンは貝ボタンだったり。
お品をみるとき、ぜひバティック以外の素材も見てみてくださいね。
また、梱包材は最小限に。
オンラインストアでお迎えいただいたことがある方は「リサイクルのお願い」というメッセージを見たことがあるかと思います。
職人さんあてなど、お客さま以外へお荷物を発送する際は、古材を再利用して発送しています。
そして、これはこれから…のことですが
ベナンの職人さんからの「天然染料でまた染められるようにしたい」の言葉。
かつてはベナンでも天然染料でバティックが染められていたはずなのですが、今は天然染料をもちいてバティックを染める職人さんに出逢うのがなかなか難しくなっています。
そんな中、職人さんが「アジアでは天然染料での染めが今も盛んだと聞いた。習いたい。」と言ってくれました。
私たちは、彼らからバティックを仕入させて"いただいている"身。
彼らのやり方にリスペクトを持ち、日本での商いに都合のいい彼らへのお願いは出来る限りしないようにしているのですが、彼らから"やりたい"と相談してもらえたなら、AFRICLに出来ること、を職人さんと一緒に考えながら、出来る限りの貢献をしていきたいと思います。
3. これから、に願うこと
ここまで、AFRICLがPhilosophyとして掲げる "すこやかであること"を実現していくために、心掛けたり、実践している具体的なこと、をお話しさせていただきました。 そして、冒頭でふれたとおり、Philosophyとして"すこやかであること"を掲げるのか、とてもとても迷いました。 ブランドを取り巻く方々と"すこやか"な関係であるというのは(それをサステナブルであったり、エシカルと呼ぶのかもしれません。)当たりまえであるべきだと思うからです。 当たり前のことを当たり前に。 AFRICLだけで出来ることではありませんが、"すこやかであること"が当たり前になり、普通のことすぎて、ブランドの価値としてなんて主張できないよ、となる未来がかたちになったらいいな、と願います。 今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。 AFRICL 沖田紘子
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